人気ブログランキング |

<   2008年 08月 ( 1 )   > この月の画像一覧

 

一期一会

先日TVを見ていましたら、今人気の黒人演歌歌手・ジェロ(JERO)さんが、
インタビューの席で「座右の銘は?」という質問に、
「一期一会(いちごいちえ)です」と答えていました。

「一期一会」…この言葉が、茶道に由来することわざなのは有名ですね。
『あなたと出会っているこの時間は、二度と巡って来ないかもしれない。
だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう』

という意味の、千利休の茶道の心得です。

その精神がやがて一般化して「人と接する機会を、もう二度と会えないかも
しれないという心構えで、大切にしなさい」という教訓になった訳です。

ともすれば日本人でさえ忘れていそうな、こんな侘び寂びな和の美徳を、
アメリカ出身のジェロさんの口から、さらっと出てくるのも、なんだか
不思議な感じがしました。

そういえば、私の好きな言葉に「さよならだけが人生だ」というのもあります。
ご存じの方も多い名句と思いますが、晩唐の詩人・于武陵の漢詩「勧酒」を
井伏鱒二さんが訳したものです。
これだけ聞くと、なんだか人生を悲観するような言葉に聞こえますが、
原文はもっと長く、この言葉は、その最後(結句)の部分に当ります。

(「勧酒」井伏鱒二訳)
 この盃を受けてくれ
 どうぞなみなみつがしておくれ
 花に嵐のたとえもあるさ
 さよならだけが人生だ

(通訳)
 君に勧めよう、この金の杯を。
 なみなみと注いだ酒を、どうか遠慮せずに受けておくれ。
 美しく咲いた花も、とかく風雨で吹き散らされるように、
 人生にも多くの別れがある。
 だからこそ花が咲いている間は、楽しく酒を酌み交わそう。


訪れる別れを惜しむのではなく、出会えた今この時を喜び、
楽しめるだけ楽しもうよという姿勢は、
やはり「一期一会」の精神に通じるわけですね。
こうしてみると、この精神は、万国共通なのかもしれません。


東京パソコンスクールで出会う生徒の皆さんとは、
もちろん二度と会えない訳ではないですが、
この「一期一会」の精神をいつも忘れることなく、
一つ一つの出会いを大切にして行きたいと思っています。

by mitakamusasino | 2008-08-08 12:12 | 三鷹校 | Comments(2)