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カテゴリ:本( 3 )

 

『移行期的混乱』

先日銀座へ行ってきました。
「第6回銀座ジャズフェスティバル」の路上ライブは、横浜APEC2010の影響でしょうか?
バンド名も開演時間も知らせないという中で、突然音が出るという異様な幕開けでした。
ギターが中心の質の高いオリジナルの音楽でした。
たしかボヘミヤン・ブルーとかいっていたように思います。

中央線沿線では数多くの音楽祭の歴史がありますが、それらに刺激をうけて
「銀座商店会」でもお祭りをやろうということだと思います。
三鷹でもサンバや阿波踊り、秋祭りなど年々盛んになっていますね。
成熟した大人の町として、商店街も昭和初期からの店や、居酒屋や携帯ショップなどの
フランチャイズの店まで種々あるなかで、ちょうど身の丈に合った、住みやすい町に
発展して来ています。

これからの時代は地域コミュニティーの時代で、「道場」「寺子屋」が鍵になると
いわれていますが、私たち東京パソコンスクールは、この三鷹地域コミュニティー
で、パソコンの寺子屋として、老若男女が集まって学び、発見し、交歓する、
そういう空間です。

以前にもご紹介した、平川社長の新刊『移行期的混乱』を読んで、あらためて
上のようなことを確認したしだいです。
前作の『経済成長という病 いま、本当に考えなければならないこと』に続き、今とは、
どういった時代か?という話です。私たちがいまだかつて経験したことのない、
人口が減少するという少子高齢化の時代、また民主主義が成熟し、右肩上がりの
経済成長から右肩下がりの経済へ移行していく「移行期の時代」ととらえて、
経済成長なしでもやっていける社会を”考想”することであり、その考想がひとびとに
共有されたとき、人口動態もまた平衡を取り戻すはずである。と述べています。
全く同感です。私も共有するひとびとの1人になりたいと思います。

コンビニについても述べられています。 d0076971_18285231.jpg       
コンビニの出現はわれわれの「ライフスタイルを変えたのではないか。
それが家族の性格そのものを変えていく契機となった」「いつでも時間と
金とを自由に交換することができるという観念が人々の価値観の中に浸潤してきた」と。
その通りですね。私たちはいつの間にか仕事、労働を貨幣に変えてしまい、働きがい、生きがいなどをなくしてきたように思います。

それから、「リベラル」という言葉は、英和辞典で見ると最初の意味は「気前がいい」二番目が「たっぷりある」三番目が「寛容である」4番目に「自由な」だそうです。
これは初めて知りました。なるほど、まず相手があっての自由ですからね。
相手に与えてこそ自由があるというわけです。

平川克美著『移行期的混乱』(筑摩書房 \1600)は、現代人がそばにおいて
折々に読んで欲しい本です。
 mitakamatu

by mitakamusasino | 2010-11-17 15:39 | | Comments(0)  

「日本辺境論」

今日は、前にお話した、㈱アーバントランスレーションの設立メンバーで、平川社長の盟友、
内田 樹(うちだ たつる)さんの著書「日本辺境論」(新潮新書)について、少しご紹介します。
「2010新書大賞」を受けて1,500冊を超す新書の頂点に立つこの本は、養老孟司さんが絶賛する面白い本です。

「日本人はきょろきょろしている。」・・・言われてみればその通りで、納得が行きました。それで日本独特の“間”が生きます。歌舞伎の“だんまり”が生きてきます。
どうも日本演劇独特の「顔で笑って心で泣いて!」「顔で笑って心で怒って!」とか、「顔で怒って心で泣いて!」とか喜怒哀楽を組み合わせると、数種類になりますが、腹芸というのですね。こういう芸が高度なものとして喜ばれるのも「辺境人」だからのようです。

最近のニュースで話題になった「核の持込みはあったか?」というハナシ。これは国民、政治家、マスコミも全部知っていたはずです。密約もあったと考えるのが当然でしょう。
「知っていながら知らないそぶり…」、「これは水に流してくれ…」「腹に収めてくれ」とかね。何も言ってほしくない、暗黙の了解ということですね。

日本人というのは立場を非常に重んじる人種だと思います。交渉事で「君の言うことは分かる。私が君の立場だったら、君のようにしただろう…」
立場が変わったら、反対になるんですね。自分というものはないのです。あるのは立場。その立場に命をかけた例もたくさんありました。歌舞伎などは立場を書いた演目が数多くあり、「勧進帳」などは良い例です。

日本が世界に誇る漫画についても詳しく述べられています。
本田宗一郎は「アトムのような車を目指せ!」といつも言っていたそうです。バイクの顔がアトムにそっくりですね。人間が作ったロボットに愛情込めていますが、ヨーロッパではロボットはロボッタと言って悪者扱いです。日本のロボット技術が発達したのも納得がいきます。

d0076971_13445945.jpgそれから東京ファッション、これが日本独特のもので、モデルが出てくると歓声、拍手がすごい。これはコンサートのノリと同じです。
ほかにはJポップス。東アジアではカラオケを日本語で歌っているそうです。日本が誇る漫画、アニメ、ファッション、音楽、特に女性が強い!
 
アジアの人々は、今度生まれ変わるのなら「日本人の女性に!」と言うそうです。辺境人で良かったといえるように生きたいですね。

詳しくは、皆さんも「日本辺境論」(777円 税込)、読んでみて下さい。日本人とは何ものか、再確認できるでしょう。
 mitakamatu

by mitakamusasino | 2010-04-05 13:45 | | Comments(0)  

”退化に生きる、我ら”

今から25年前に会社を始めて以来、十数年間お客様としてお付き合いいただいた、㈱アーバントランスレーションの平川社長、石川専務、吉沢さんには大変お世話になりました。

現在、平川克美さんは㈱リナックスカフェの社長、石川茂樹さんはライブカフェ「アゲイン」の店主として新しい道を歩いておられます。
平川克美さんは多くの著書やいまやブログでもすっかり有名人ですが、その中の『「経済成長という病」退化に生きる、我ら』(講談社現代新書)は“いま、本当に考えなければならないこと”と帯に書かれているもので、今回ぜひお薦めしたい1冊です。

これを読みますと、「専門家ほど見誤ったアメリカ・システムの余命」というものを、もう一度考える必要があるだろうと述べられておられます。まったくその通りだと思います。なぜ、物を作って売る、サービスを売るという産業資本主義から、実体経済のない金融略奪資本主義に向かい崩壊していったのか…。

かつて東南アジアの国々を、国際金融資本が為替介入をして目茶苦茶にしましたが、その時に唯一反撃したのは、マレーシアのマハティールさんで「短期の為替取引、短期の金融取引で実体経済を目茶苦茶にされてたまるか!」ということで、「短期の資本流入禁止」にしたのです。優れた指導者でした。
また金融立国を目指したアイスランドは破たんしましたが、金融で国が成り立つなんて、やはりどう考えてもおかしいわけですよね。

また携帯電話について 「いったい人間の精神の何が、いつでもどこでも他者とコミュニケーションしたいという欲望を喚起したのだろうか」 と、そもそも人間はいつでもどこでも他者とコミュニケートする必要があったものなのだろうか? と述べています。
つまり、コミュニケーションが成り立たなくなっている現代だからこそ、「どこかでいつも他者とつながっているような」、リアルタイムのコミュニケートツールを産み出したのだということでしょうか。
確かに現代は、メロドラマの醍醐味のような、待ち合わせで逢えるか逢えないかの、はらはらドキドキ感は奪われましたね。

私の好きな岡本太郎が、大阪万博のテーマ「進歩と調和」に対して、これと全く反対の、後退して原始に戻ろう、調和で周りにあわせるのではなく、「何だこれは!?」というものを作ろう、と言っていましたが、数字ばかり追求の金融資本主義に代わって、自然や農業生産を大事にする重農主義に戻ってもいいのかも知れませんね。

こういうことを思うとき、平川さんの本は、私などが今までなんとなく分かったような気になっていたことが、実に明快に文章化されており、大変面白い本です。「いま、本当に」考えさせられました。

また石川茂樹さんの、武蔵小山駅前のライブカフェ「アゲイン」は、何か面白いことが、いっぱい入ったおもちゃ箱みたいな、蓄音機、ジャズ、落語、ラジオデイズ、その他何でもありの盛りだくさんのカフェです。石川さんが28年間の勤めを終えて、本当にやりたかったことを、今、自分自身で楽しんでされているようすが良くわかります。

仕事上のお付き合いしかなかった方々でしたのに、インターネットのおかげで、こんなにも優れた感性、知性に再び出遭えたことは幸せです。感謝しております。
皆様も、こういう発見があったら、どうぞお知らせ下さい。
 mitakamatu

by mitakamusasino | 2010-03-12 16:19 | | Comments(0)