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"おかげさまで18周年!キャンペーン" 終盤です。

 今年の東京パソコンスクール創立18周年記念キャンペーンも、早や終盤になってしまいました。
 昨年、一昨年と続けたソンコ・マージユさんのライブコンサートを今年は行わないからといって、忙しさにかまけて年に一度の周年祭の書き込みまでも無精してしまうところでした。教室内外の看板やポスターを見ていただいている現役の生徒さんたちは別として、卒業生や外の方々に「今年は記念キャンペーンさえできないのか?」と心配をおかけしてもいけませんので、今更ですが今年も周年キャンペーンは、なかなか好評裡にやっておりましたというお知らせだけはしておこうという次第です。

 おかげさまで丸18年を迎え、気がつくとこの三鷹駅周りに沢山(8軒ぐらいは)あった大手のスクールやフランチャイズ経営の教室が、見事に撤収・閉鎖され、唯一当東京パソコンスクールだけが生き残ってがんばっています!
 13周年・14周年記念のこのブログ記事を読み返してみると、ちょうどXP・Vistaからの転換、移行期でした。この時期、合わせてまだ4割強もいたこれらの生徒さんたちのほとんどが無事にWindows7と8以降へと移られて、Windows10全盛の現在に至っています。

 つい数日前も18年前の創立時から在籍してくださっている生徒さんと、10数年前におクニでご主人様を亡くされたのを機に息子さんのいらっしゃる東京に出てこられてすぐに、当校でパソコンを始められたという80代の生徒さんが、「いつの間にかもう10年以上になるのねぇ…!」と、コーヒータイムに歓談されていました。
 5年以上どころか10年以上も通ってくださっている生徒さんが、こんなに多数在籍しているパソコン教室もほかにはあまりないのではないかと自負しています。

 過去にこの周りにあった他の教室は、インストラクターが生きた人間ではなく、隣のVTRとヘッドホンで機械の”先生”が教えるという、受講料は安いけれども年配の生徒には何とも心もとないシステムだったり、コースが細切れのお仕着せで、自分のペースに応えてくれない、などの欠点があったようです。
 扱うものが機械(PC)でも、生身の人間同士でコミュニケーションをとりながらでなければ何事も身には着きませんし、何よりもよくわからないと楽しくなりません。そして楽しくなければ続きませんね。

 上の、機械が先生のような教室に行ったことがあるという年配の生徒さんが、「若いインストラクターの先生に質問しても、どうも言葉が通じないのです。」とお話していたことが強く印象に残っています。同じ耳の聞こえる日本人同士なのに、これはどうしたことでしょうか? 現代の若い人たちの使う日本語と年配の人たちが意味するところが違ってきているのでしょうか?


 突然ですが、次の問題を解いてみてください。
 【メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の出身の選手であるが、その出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多くおよそ35%である。】

 実際には、これを表す円グラフの図が①から④まであってどれが正しいかという4択問題ですが、今ここではその図を省略しますので、ドミニカ共和国の他にベネズエラやその他の外国人選手という項目などがある円グラフを自分で想像してみてください。
 このブログの聡明な読者の皆さんは、(4択でなくても)ドミニカ共和国が全体の何%になるか?という算数の答えは出せるでしょうと思いますが、ちなみに高校生(277人)の28%、今年度東大合格者のなんと52%しか正解できなかったというのです!


 毎日新聞のインタビューで、数学者の新井紀子教授もこの結果には「正直衝撃を受けた」と語っています。
 少し前から、AI(人工知能)に人間が使われる時代が来るのではないか? という話がありますが、新井教授の著書『AIvs.教科書が読めない子どもたち』で、AIは記憶力や計算力は人間を優ることができるが「意味を理解することができない」のだと述べています。つまり、上のような問題は数字を扱ってはいますが、文章の意味が分からなければ解くことができないのです。

 なるほど、これでは人間の良さがなくなるわけですから、AIに取って代わられても仕方がないということになりますね。
 すでに7年前の調査で、大学生の実に約4分の1が「平均」の意味を理解していないという結果が出ていたというのを聞くと、本当にこれからの日本は大丈夫なのか?という思いがつのります。
 新井教授は、「ある意味で、民主主義が成り立たなくなるのでは、という危機感さえあります」と述べています。

 「民主主義は、社会を構成する市民が「論理」を土台にして議論できる、ということが前提になっているシステムだから」「子どもの読解力低下と森友・加計学園問題をめぐる国会での論理がないがしろにされている現状には、共通の構造がある」
 と説明しているのを読んで、我が意を得たり!とばかりに私は得心がいったのでした。
 この1年以上もの間、国の首相や副首相をはじめ、民主主義国の土台でなければならない偉いお役人たちが平気で吐いている嘘と、整合性のない、知性のない言葉の数々に呆れ果てて来たからです。

 田中優子法政大学総長もこの新井教授の著書を引いて、江戸から明治への大きな変化の時代に果たした議論の力、役割について述べて、その前提は読書力とそれに養われた知性だったと語っています。
 18歳以上が「大人」になってしまったこの国のこれからの教育は、英語会話力やプログラミング力も良いですが、それよりも先ず、読書による日本語力をしっかりと育てることから初めてほしいと思うことしきりです。

 最後に、毎日新聞「仲畑流万能川柳」から、最近の最高傑作をご紹介します。
  『膿出すと言ってる人がウミの親』

mitakayoko


by mitakamusasino | 2018-06-22 16:59 | 三鷹校  

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